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トラウトと自然を愛する男の北海道ライフ  FISHING&CAMPING from north latitude 45°

Fishing イトウのこと

イトウを釣るならその前に

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幻の魚や川の王様なんて「冠」がつくと、釣ってみたくなるのが釣り人の性。レッドデータブックに掲載されているイトウですが、釣り禁止とはなっていません。自分が釣りをするくせに、「イトウを守れ!」だなんて矛盾している。そう言われた事もありますが、私は興味を持たない事こそがイトウやその他自然を破壊させてしまう最大の原因だと思っています。イトウが自然環境に興味を持つきっかけの一つになればと、考えています。ただ、イトウを釣るなら事前に知っておいていただきたい事もいくつかありますので、今回はそれを書かせていただきます。私自身も、確かな技術・知識を身に付ける前にイトウ釣りを行い、無知が故にイトウ釣りに於いての「過ち」を犯してしまった過去があります。そうならない為にも、是非読んでいただければと思います。

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1.産卵期、中上流部での釣りは控えて下さい。
産卵を控えたイトウは非常に神経質です。釣ってしまうと、リリースしたとしても、その年の産卵を止めてしまう場合があります。

2.必ず確実にリリースして下さい。
イトウは一度の産卵では死にません。リリースする事が深い意味を持ちます。特に大型になればなる程、優秀な遺伝子を残す可能性がある個体です。

3.2を行う為のリリース技術を身に付けて下さい。
釣って放すだけでは、多くの魚が死んでしまいます。リリース後の生存率を高めるために、確かなリリースの知識・技術を持つ事が大切です。

1については、4月~5月を指しています。イトウの産卵時期は毎年若干の前後がありますが、概ね5月上旬に行われます。ほとんどの釣り人は、5月下旬に最下流部からそのシーズンの釣りを始めます。イトウは全個体が、毎年産卵に参加するわけではありません。その為、5月下旬に最下流部にいるのは、既に産卵を終えた個体か、産卵に関係しない個体であると言えます。

2についてですが、せっかく釣ったイトウで、ましてやメーターオーバーの記録的なサイズだったなら、何とかして持ち帰りたい!剥製や魚拓にしたい!!と考える気持ちも十分に理解できます。ですが、やはり相手は絶滅危惧種のイトウです。ちゃんとリリースしましょう。その代わりにオススメしたいのが写真です。私はイトウ釣りをきっかけに、写真まで趣味になってしまいました^^

写真のいい所3つ。
1.実物のカッコよさを、さらに誇張して記録できる!!(技術によります 笑)
2.日常生活にも活かせる!(釣り用に買った一眼で、今は娘の写真も撮っています。)
3.ちょっとオシャレ!(一眼レフを首に下げると、何だか他人とは違った存在になれた気がします^^)

普段から小さな魚でも写真に残し、いざ!!という大物が来るまでに写真の腕を上げておきましょう!そうすれば、目の前の大物が、持ち帰らなくても一生の思い出になります。ちなみに私の最大魚は110cm12.5kg(2016年時点)ですが、これは地元の看板屋さんへ依頼し、実物大で印刷してもらい、特注の額に入れて、釣り部屋に飾っています。

3については、人それぞれ様々な持論があり、実行している手法が異なります。大前提として、イトウに「愛」を持って接してもらえれば、それなりの対応が出来ると思います。以下にイトウだけでは無く、魚全般に共通するリリース時の注意事項を書きます。

・素手で触らない。
人間の体温は魚にとって高温で、火傷してしまいます。グローブを履き、さらにそれを湿らせて、必要最低限の接触を心がけましょう。
・優しく手を添える。
釣り上げられた魚は、天地がわからなくなっている場合があり、リリースしようとしても腹を上に向けてしまう事が多いです。しっかりと力強く泳ぎ始めるまで、水中で手を添えて支えてあげましょう。
・呼吸を手伝う。
ファイトにより魚は相当の体力を消耗します。なかなか動き始めない場合、水中で体を優しく掴み、頭を上流に向けて、魚の口から体内へ新鮮な水を通わせるように、魚体を前後させてみて下さい。

また、リリース後の生存率を上げるためには、釣り上げる時の技術・心がけも必要です。

・強固な道具を使う。
釣り竿もリールもラインもフックも、可能な限り強い物を使い、ヒット後のファイト時間を可能な限り短くします。よく大物釣りで言われる「時間を掛けて、徐々に弱らせて釣る」のではなく、イトウは多少強引でも一気に釣り上げます。例として、私は場所により18lb~20lbのライン、8ft~10.6ftの竿、3500~4000番のリールを使い分けています。
・針はバーブレスに。
針にはバーブ(返し)が付いています。可能ならこれをプライヤーやペンチで潰して使って下さい。

他にもたくさんありますが、これは本当に人それぞれ考えが異なりますので、記載する事を控えさせていただきます。ただでさえ文面が能書きっぽくなってきたので・・・・。

最後に・・・
イトウはなかなか釣れません。ただ、思いのほか簡単に釣れる事もあります。笑 私は初めて釣るまで丸2年かかりました。
でも、例え釣れなくても、イトウを探して川を歩くと、きっと自然が好きになります。水面を飛ぶカワセミ、エゾシカの群れ、木を駆け上るエゾリス、そしてヒグマ。様々な野生動物や草花に出会います。イトウと同じ地元に暮らす私としては、それらを通して一人でも多くの人が、北海道の自然に興味を持ち、また充実した時間を北海道で過ごしていただければ幸いです。

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